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小さな決意 [舞台]

金曜日マチネ&ソワレ、無事に終了!
明日からは後半戦に突入します。
今回は桟敷席も多数出ているようで、本当にありがとうございます!
あと2日間、応援よろしくお願いいたします!!



公演期間中は、劇場で、いろんな話をしているんだ。
お客さんと。スタッフ陣・役者陣、お手伝いの皆さん、普段は会えない方々と。
思いがけないドラマや話がそこにあって、すごく印象に残ったりじーんとしたりしています。


今日はね、久しぶりに劇場で会った〝ジョーズカンパニーの裏総長〟から本を借りて
ずっと前に自分が書いた本のことを思い出したんだ。

制作さんの相方〝ジョーズカンパニーの裏総長〟から借りた本は、
第二次世界大戦中に学徒出陣し、海軍戦で23歳で亡くなったある一学生の手記。
裏総長は、前に私が書いた脚本を読んでくれていて、
その感想と一緒にこの本を貸してくれたの。

その脚本は、私がこれまでに書いた脚本で唯一上演されていない、
学生の時に書いた作品。
タイトルは「夏の歌、彼方から響き」。
第二次世界大戦中、
日本のプロ野球黎明期に活躍していた、
佐賀県出身のピッチャー石丸進一さんを主人公のモデルに
彼が、満22歳で特攻隊の隊員として亡くなっていくまでを描いた作品なんだ。

戦争をテーマにした作品には、そこに真摯に向かえば向かうほど
過去の体験を受け止めて昇華させる、自己の思いやメッセージが込められるから、
却って今の私は、「今の私にはまだ書けない」って素直に思う。
この作品を書いたのは、よくも悪くも私が若かったから
素直に自分の書きたかったことだけを見つめて
その時の自分の精一杯を素直に出せたんじゃないかなと思う。

その時に、私が最も書きたかったことは、「人の生きる力」について。
人は、生まれてきた時、時代や環境は選べない。
どんな状況であれ、その場で〝生きていかなくちゃ〟いけない。
けれど、人にはもともと、前向きに力強く生きていこうとする力が備わっているはず。
だからこそ、そんな時代の中でも、人が元来持っている明るい力は消えない、
たとえ時代の大きな流れの中で押しつぶされていっても、
「明るい方へ向かう力」を、最後の最後まで持ちつづけるはず、と思うんだ。

過酷な時代に生まれたからこそ、それに抗うように光る大切なもの、
人の生きる力について、何よりもまず書きたいと願ったんだ。

脚本は、やっぱりまだ現実的に仕事をはじめる前に書いたものらしく
上演はこのままじゃもうどうしようもない。
っていうか、夢が溢れすぎてる脚本(笑)
(↑この転換、絶対ムリ!幾らあったら実現するんだ?
レミゼ並みの装置……ここは帝国劇場ですか!?みたいなツッコミ満載)

でも、総番長はこれを何度も何度も読んこんで、
私が書きたかったことをしっかり見抜いて受け止めてくれていた。
それがとても嬉しかった。
その当時も、この脚本はあまり人には見せなかったし……
戦争や特攻隊についての芝居をこれから書こうとしている彼に、
「そのホン読ませて」と言われるまでは、私自身も取り出すことはなかったので、
こうしてこのホンについて誰かと初めて話して、
心の中の、忘れていた部分に少し光が当たったような気がしたんだ。

上演が終わって、人がいなくなったロビーでそんなことを話していて……
私が、いつかもっと力をつけて、人間的にも大きくなったら。
この作品をもう一度書き直したい、と小さく決意してました。
今度は上演を前提としてね(笑)。

明日もまたいろんな人と会えます。
私が子どもの頃から憧れていたひとも来てくれます!
まさか、私の作品を観てくれる日が来るなんて!
道ってどういう風に続いているか、本当に誰にも見えない。

ではでは、またです♪


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「フレンズ~ガラクタ怪獣のなみだ~」開幕 [舞台]

お久しぶりです……って、本当にヒサシブリデスー!!
8月はじめてデス~!!この夏は、予想に反して抱えているものが多すぎて、
気がつけばとても忙しい月になってしまっています。
でもさすがにもうちょい書こう。ダイジョウブ、生きてます!!(笑)

ということで。遅ればせながら。

8月23日(水)~8月27日(日)まで
新宿シアターサンモールで上演中のファミリーミュージカル
「フレンズ~ガラクタ怪獣のなみだ~」、
Rチーム・Mチームともに、初日が明けました!!

23日の初日から、あるアクシデントがあり、
けれどもそれをチーム一丸となって超えることで、すばらしいチームワークを発揮してくれたR。

24日のMチーム初日、
舞台から溢れるほどの個性を発揮して、それは見応えのある芝居を創ってくれたM。

どちらのチームもともに、
明日から残り6ステージもどんどん進化しながら駆け抜けてくれるはず。
スピード上げても大丈夫。
強力な舞台スタッフ陣が、千秋楽までケガなく進行できるように、見守っています。
日曜日まで、お時間ある方は、ぜひ劇場に遊びに来てください!

シャワー浴びながら、今月締切の新作について考えなきゃいけないのに
気がつくと「フレンズ」での曲をずっと歌っちゃってます(笑)
さぁ、とりあえず今日はもう寝るデス~!
本番終了後、またぼちぼちエピソードなどを書いていきます。

それでは、また♪


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ファッションショー 本番終了 [舞台]

お久しぶりです!

……ようやく。本当にようやく。
昨日、私が構成・演出をやっていたファッションショーの本番が終わりました!
ショー前の2週間くらいは、何もかもが本当に忙しくて
一日がコンスタントに30時間くらいになってた感じです。
ほぼ一日おきには徹夜、すぐに朝が来てしまって。
徹夜明け、3時間くらいは眠ろうと思っても
アウトプットしすぎて、ほとんど眠れなくなっちゃうし。
そのうちどんどん食事なんかもいらなくなってきて
意識的に食べようとしないと、そのまま一日が終わっちゃうし。
なんだか最終的には、毎日真夜中のコンビニで納豆巻きを探していたような。
でもたいていその時間には無いんだ、納豆巻き(泣)
うゎ~~、ホント終わってよかった~!!(←絶叫)

今回の仕事は、6/9にムーブ町屋で開催された、
東京にある服飾系の専門学校が参加して行われた、合同ファッションショーイベント。
参加してくださった学校は、この8校。
   東京服飾専門学校
   二葉ファッションアカデミー 
   東京ニットファッションアカデミー 
   専門学校 東京メディアアカデミー
   東京服装文化学院
   ドレスメーカー学院
   目白デザイン専門学校
   弥生ファッションデザイン専門学校
   ヘアメイク協力:国際理容美容専門学校
デザインジャンルは、カジュアルからフォーマル、ウェディングまで多岐に渡って、全7シーン構成。
モデルもデザインもかなりフレッシュ、面白かった!

それにしても今回は本当にたくさんの人に支えられました。
準備期間がとにかく短かったり条件が悪かったり
本番を迎えるまでも、まさに「前途多難」だったけれど、
本番前日にコヤ入りしてからも、そこではじめて各ドレス・モデルたちが揃うので
不慮のアクシデントが多発。
その都度、ギリギリの線で対応を重ねて
構成や舞台裏の態勢などを変更していくしかなかったんだ。
でも、本番、幕が上がってみれば……
それは、私が最初に考えていた構成よりも、
ぐっと効果的な構成に仕上がっているように感じられたんだ。
力が足りない私を越えて
関わってくださった人たちの想いの結晶が作用して、そういう奇跡を生んでくれたんだって
最後のステージのフィナーレには、
心の中には、「ありがとう」しかなかった。

今はまだ、昨日の今日で疲れも顕れてきていないし、
余韻もなにも、ただ〝ぼ~っ〟とすることで精一杯なんだけど(笑)
久しぶりに、穏やかな気持ちで目を覚ますことができたんだ。
ここまで来るのに感じた様々なこと、ひとの想い、傷ついたこと乗り越えたこと、
コミュニケーション、ミックスアップ、真夜中の路地、携帯電話、
音楽の海、光のタイトル、デザイン画、舞台裏の笑顔……、
きっと、すべてを受け止めるには、まだまだ時間がかかりそう。
でも今日どうしても伝えたいのは、ただ一言、
直接間接どんな形でも、関わってくれたすべてのひとに。

「いいショーでした。本当にありがとう。」!!

しばらくはクールダウンしながら……
ちゃんとヒトに戻りたいです(笑)


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お馬鹿屋敷 [舞台]

インパクトのあるタイトルですね。
今日は観劇2本立ての日♪
最近あまりにも忙しすぎて、ちょっとひどいことになっていたので
ここ2日は休養日として、気合入れて好きなことを。
自分の仕事はしばし忘れて、自由にのびのび、リラックスして劇場に行ってきました。
夜は知り合いの作曲家、田尻光隆さんが作曲をしているミュージカル
ザ・ライフ・カムパニイ「ね、ひつじの絵をかいて」@六行会ホール、
そしてその前、午後からは
南河内万歳一座「お馬鹿屋敷」を観てきました!@ザ・スズナリ
スズナリ久しぶりでした。(私にとってのスズナリといえば黒テントです)
小劇場空間にどっぷり浸れた2時間。
今日は南河内万歳一座について書くね!

南河内万歳一座は、通常は西日本に拠点を置いて活躍している劇団で
作・演出は内藤裕敬さん。
そう、内藤さんといえば、三重県でのステージラボでさんざんお世話になった
演劇界の〝永遠のアニキ〟みたいな方(なんだそりゃ)。
肝が太く懐が深そうな、熱く充ちた存在感。
三重県での短い時間の中でも、面白いこと、刺激的なことをたくさん教えてくれた。
どんな舞台が待ってるんだろう!とかなりわくわくしながら出かけました。

(以下、これから観にいくひとは読まないでね!)

眠れぬ夜の奇妙な○○、といえば某コミック系の帯コピーだけど
今日の舞台は、
そういう果てしなく長く感じられる眠れない一夜(いや、永遠に終わりのこない幾晩もの夜)の物語。

会場に足を踏み入れると色とりどりの「布団用の生地」や「着物生地」「ハギレ」などが
自由に組み合わされた目にも鮮やかな引き割幕。
「南河内万歳一座」と染め抜かれた生地がひときわキレイ。紫のグラデーションの雑布。
玄人らしく楽しませてくれる前説、肩の力を抜くようなラフな客入れ最後の曲の後は
はじまりを告げる、幻想的にも聴こえる、いくつかの素朴な音。
それが〝自らを眠らせるために今夜も歌う〟子守り歌へと発展していく。
引き割り幕がザッと開けられると、舞台を縦横無尽に埋めつくしているベットの島々。
そこに冴えた目をしてそれぞれの登場人物たちが眠ろうともがいている。
〝ねんねこや おころりよ うるさいよ うごめくよ うまれるよ~♪〟
世にも不思議な子守り歌。

眠るためにアイマスクを探している、ひたすら眠れない男、
男に対して、眠れないのは自分達のせいじゃない!と躍起になってる万年床の万作&年子ちゃん。
頭から振り払いたい何かのために、眠ることを拒否している女、
女の身を案じている、せんべい敷き布団&羽毛かけ布団のセンベイさん&羽ちゃん。
そして、固く心を閉ざして、自らから逃げるために眠りつづけている第3の男。

アイマスク男は、万年床にくるまって、隣室や上下階、隣近所に耳を澄ます。
「ほら、みんな起きてるんだよ。」
その気配に眠れないんだ。
「見えないし聴こえないものが騒がしい。」

それは、胸の中に空いている穴に、まっすぐ落ちてくるような詩。

やがてアイマスク男は〝眠れる場所〟を探して、どこへ行くともしれない列車に飛び乗る。
女は、眠らないでいるために、〝歩きつづける旅〟にでかける。
その頃、第3の男も……
それは眠りに落ちる前、疲れ果てて行き場をなくし、やはりその列車に乗っていた。

北へ向かった列車が積雪のために停まってしまい、
怪しい車掌に翻弄されて、乗客たちが流れ着いた旅館「大和屋別館」の布団部屋。
女も、歩きつづけていつのまにか雪の中、最後の力で辿りついたその部屋。

そこは、四方八方を、ぐるぐる動く布団に閉じ込められている
〝入ってしまったら決して出られない〟大和屋別館の布団ラビリンス。
「おばけ屋敷じゃない、お馬鹿屋敷さ。」
そこには、「眠ってしまったら馬鹿になる」という呪いがかけられている。

その部屋に閉じ込められた人々……男たち、女、乗客たち、そして大和屋の女将や番頭たちまで
「出口」を探してさまよい始める。
「出口」があるかなんて誰にも判らないけど。
「出口」は「入口」に過ぎないのかもしれないけど。
「目的地はない」ってことが「判った」だけかもしれないけど。

そもそも目的地なんてない。あるのは「ここ」だけなのかもしれない。
それでも。

楽しかったな!時間を忘れて没頭できた。
ベースにあるのが「ちょっと変?!」なものたちなんだよね。だからこそ斬新なキャラクター。
舞台のそこここにホイホイ出てくる内藤さんを発見するたび面白かったし!
その上、役者がよく動く動く。舞台装置(無数の段違いのベット群)までぐるぐる動く。

〝迷いながらも時は動いていく、同じ場所の繰返しに思えても前へ進んでいる〟
そんな楽観的な観測を〝そんなわけないでしょ〟ときっぱりと否定しながら
それでも、底が仄明るいような漠然とした希望を感じることができる、
熱く骨太な土臭い舞台。

帰りにロビーで会えた内藤さんの
「夜に来れば良かったのに。そしたら飲みにいけたのによ」を受けて
頭の中で、次の公演地「大阪城 ウルトラマーケット」が頭をよぎったけれど
6月上旬。こっちも修羅場。ダメだ。
うわーん。また是非!

とても楽しかったので、劇場出たそのまま、
三重での仲間@東京メンバーにメールしたのでした。
面白い舞台と出会えるって幸せだね。
何を改めてって感じですが。
それが今日いちばんの感想!


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「IRON」 リージョナルシアター・シリーズ [舞台]

今日も仕事はバタバタだったけど、20時過ぎる頃にはやっと一段落。
そこから、心がゆる~くなっている感じのまったりトーク。
皆、どっか外れていてやたら笑いました。疲れてるんね。既にちょっとおかしかったです(笑)
話題は、懐かしの「初期ボキャブラ天国のネタ」について!
私はあんまり覚えていないんだけど、覚えている人たちが教えてくれました。

クリスタルキングの大都会「ああ~♪果てしない~♪」 → 「ああ~♪禿げ歯科医~♪」
イトーヨーカ堂 → イトーヨーカ堂の前で出会う二人。「伊藤!」「よぉ、加藤!」
ビューティフルサンデー?「♪さわ~やかな日曜~♪」 → 「♪さわ~やかな生霊~♪」
爽やかな生霊。
白い着物の分かりやすーい生霊が、緑の草原で自転車を漕いでる画らしいっす(笑)

というわけで今日は、先日観てきたリージョナルシアター・シリーズの話を!
あんまりまとまってないけどゴメンね。

まず、「リージョナルシアター・シリーズ」って聴きなれない言葉だよね。
これは〝今、地方で旬の劇団に東京での上演機会を!〟という目的で開催されてるシリーズで、
今年も大阪・盛岡・札幌・北九州から地域でコアなファンを持つ実力ある劇団が誘致され、
東京芸術劇場で週替わりで公演を行ってました。
私たちとしても、その場所に行かなくちゃ観られない劇団の舞台を、
東京に居ながらにして集中的に観られる、いい機会!
私はシリーズのトリを飾った作品「IRON」(アイアン)を観ました。

「IRON」(作・演出/泊篤志)は、
北九州を拠点にしている泊篤志さん率いる劇団「飛ぶ劇場」の代表作。
初演は99年。これまではク・ナウカの宮城聰さんなどが演出されていて、今回3回目。
今回は、北九州芸術劇場×飛ぶ劇場のコラボレーションで上演されました。
キャストも美術もスケールアップ。乾いているのに、静かに熱い・熱い作品。

日本列島と朝鮮半島の間に位置する小さな島「糧流」(カテル)、
第2次世界大戦中のどさくさに紛れて日本から独立し、独立国家を築いてる。
どこの国とも外交をもたず、ただ総統への絶対服従によってだけ成り立つ国家。
経済的に、行き着くところまでいってしまっていて、配給の食べ物も少なくなってる。
互いの密告・仕掛けられる罠はあたりまえ、どこにでも誰かの裏切りの眼……。
舞台は、その国技・卓球の強化選手たちの合宿所のような場所で展開します。

合宿所の3人の選手達、多久(タク)・上糠(ウエヌカ)、そして板民(イタタミ)。
板民が抱いているノゾミは、ただ唯一『国外への脱出』。
そのノゾミの欠片までも消し去ろうとする、政府側の策謀。
そんな板民と対照を成す、
日本から帰ってきたが、糧流人にも、ましてや日本人にもなれないコーチ・宮連(キュウレン)の姿。

あらゆる脱出の方策が試されて潰され、僅かな成功の確率さえも残されていない中で
脱出を渇望する板民。
国での未来も恋人も捨てて。その先に何があるかは見えない。
〝ただ、そうせずにはいられなくて〟。
「脱出」という名前の、激しい「未来志向」。

美術も演出も面白かった。
円形に切り取られた舞台を、ぐるりと小さな独立した家々が囲んでいるの。
場によって、その家々がぐるぐる動く。閉塞感が際立ったり、素知らぬ距離感が出来上がったり。
そして音楽と舞踏!
主軸とは別に語られる、もうひとつのストーリィーがあるんだ。
その国に昔からあったという伝説。
土地から採れる至宝の鉄(クロガネ)という鉱石。
それが大好物だという朱金の龍と、その龍に必死に戦いを挑みつづける男の話。
まるで土地から湧き上がるような歌と舞踊が
〈祝祭〉の熱をそのままに、龍と男の戦いが描かれていく。

二つの軸が溶けあって迎える終着点。
乾ききった皮膚の奥にある熱。
流す血は鉄の味。鉄(クロガネ)は、身体の中に流れてる。

リージョナルシアター・シリーズの特色のうちの一つとして
この舞台も、九州地方の方言そのままで語られているんだよ!
それは新鮮な体験。
裸のそのひとの心を、無造作に手渡されるような瞬間があるの。
思わず受け取ったものは、そのまま沁みていくんだ。

東京にいると劇団が溢れていて、簡単に幕が開く。
だけどその中で
ほんとうに光を放っている舞台を探し出すのは、難しいなぁって思う。
だから今回、リージョナルシアター・シリーズを観にいって感じたのは、
土地と一緒に成長を続けている地方の劇団の「芯」の強さ。
羨ましいな、とさえ……思ってしまいました。

そうそう!この日この劇場で、三重で一緒に過ごしたずっこさん、津村卓さんに会えました。
こうして東京で会うなんて不思議な感じ。
会えた途端に笑い出してました、なんとなくね(笑)

今回の、劇団と劇場のコラボレーションで生まれた「IRON」のように、
こういうところから次の舞台が生まれていくのかも。
できるだけ立ち会っていきたいな。一度しかない瞬間を、見逃さないように。

それでは、またね。
明日は、今月のある意味イチバンの山場。早めに寝ネバです!


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上演発表&観にいく月間 [舞台]

こんばんは!

もう……、なんか3月入ってから本当にバタバタ。
身体と気持ちのコンディションを保つのが大変っす。
忙しい時ほど、自信なくしたり小さいことにダメージ受けたりしちゃうんだよね。
せめて、リラックスできるところを大切にして、リセットしながらいかないと!

そういえばリラックスで思い出した、近頃の〝マイブーム〟。
お風呂で本読むの好きなんだけどね、
ここ最近はなんだか『時代劇もの/ただし下手人が妖怪or幽霊限定』!
今のところ、宮部みゆきさんのお初ちゃんのシリーズと畠中恵さんのしゃばけシリーズを
1冊ずつ交互に読んでいます。大丈夫かな、私(笑)
でもこのシリーズは両方とも冊数が少ないので結構ピンチ。
読むものなくなったら、また『百鬼夜行抄』とかにいくかも。(あ、妖怪方向に行くんだ……)
心があったかくなるような上記条件に当てはまる小説、オススメあったら教えてください☆
それにしてもすごい現実逃避だよね(笑)


さて、そんな日々で色々書きたいことはあるのですが、まずはお知らせを!
今月のオーディション雑誌系に一斉に発表されたので、こちらでも発表。
今年も、夏のファミリーミュージカル上演が決定しました。

ジョーズカンパニー『フレンズ~ガラクタ怪獣のなみだ~』
2006年 8月23日(水)~27日(日)、新宿シアターサンモールにて。
演出・振付/桝川譲治
脚本・作詞/長田育恵  
作曲・編曲/水野良昭
振付/羽永共子 加藤由美子

3年ぶりの再演です!この作品は自分でも特別に好きなので、とても嬉しいです。
個性的な作品だよなぁ、ジョージさんよく書かせてくれたなぁって今でも思います(笑)
初演は、2003年12月~2004年1月。
時が経つのが早すぎて、びっくり!!
再演といっても、ファミリーミュージカルのキャストたちにとっての3年はかなり大きいので(笑)
全く新しいキャストと創り上げていくことと思います。
オーディション、顔合わせ、稽古開始……。
どんなキャストと出会えるか、まずはそこから楽しみ!



自分の作品の動き出しもあったんだけど、
今月は個人的に、いろんな意味での助走期間として
〝演劇のイマを身体に入れよう!〟月間なのね(なんじゃそりゃ)。

舞台に関わり出したばかりの頃は、本当に必死に舞台に通ってたの。
劇場の空間が頭ではなく身体に入ってくるまで。
その頃に出来た土台が、ある程度まで私を支えてくれてた。
でも、近ごろは自由になる時間もぐっと減ったし
小劇場や興味ある劇団へのアンテナを張ること、知り合い以外の舞台を観にいくことは
滅多になくなってたんだ。
最近書いている本のジャンルがまた独立した分野だったしね。

でも最近、仕事や自分のことを考えていて
イマの現場に対して、ぬるい感覚しか持っていないことが、とても怖くなったんだ。
私の場合、頭だけで考えてうまくいくか判断することはできないから。
身体から生まれてくる直感とか感覚の方が信じられるし、正しいことが多い。
感覚はどうしても、イマの現場に身体を運んでおかないと宿せないから……
マメに劇場に行っとかないとなぁって。
今月、今のところ決まってるのは、

・東京芸術劇場、リージョナルシアター・シリーズ「IRON」 北九州芸術劇場×飛ぶ劇場
・新宿TOPS、ポツドール「夢の城」
・東京芸術劇場、中ホール ミュージカル「Girl’s Knight」
                          (ごく親しい友だちの皆、これがアノ舞台ですよ)
・吉祥寺シアター、ダンス×ROCKのライブ
・神楽坂die pratze、劇団OM-2

ラインナップには、本当に行きたいもの・仕事を考えて押さえとくか、なもの
内訳はそれなりに(笑)でも楽しんでいこうと思ってます。
ポツドールまでは観終わっているので、また近いうちにどんなだったかを。

それじゃあ、今日はこの辺で。
久しぶりだから近況報告になっちゃった。あ、それも大事だよね(笑)

最後に。
「レント」MOVIE版!4月下旬から日本でも観られるらしいね。
それは本当に幸せなニュース!
キャストも、舞台でのオリジナルキャストを中心に選ばれているようで、
年齢は上がってしまっているけれど、歌は聴き応え抜群だって。
歌詞やセリフに……変な字幕がついていないといいね。
仲間内で〝観にいく&その後アソブ〟企画が盛り上がりそう!


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「ココ・スマイル」コンサート レジェンドvol.2 [舞台]

こんにちは!
やっぱり明るいうちからPCに向かえるのはいいね。
よしっ、仕事するぞって気合が入るもんね。
夜中と違って、なんていうか焦らなくていい(笑)

今やっているのは、〆切が迫っている新作プロット&タイトル案を考えることと、
「見せて」と言われてる、前に書いた脚本の整理。
この本は、戦時中が舞台で特攻隊で死んでいったある投手を描いた作品。
書いたものの中で唯一、上演されていないもの。

最近はファミリーミュージカルを多く書いているので、
昔の脚本に久しぶりに目を通すと、すっかり忘れていて新鮮。
でも、商業的な仕事をいただくようになる前に書いているので
ツッコミどころ満載。
「これを実現するのには、幾らかかると思ってるんだ!」みたいなね。レミゼなみ(笑)
かわりに、今じゃとても書けないような自由奔放さ、
羨ましい限りです(笑)

しばらくブログ書かない間に、
「ココ・スマイル」コンサート レジェンドvol.2も無事に終わりました。
満員だったね。
来てくださった方々、今さらだけど、本当にありがとうございました。

じっくり音楽を楽しめるいいコンサートだったね。
私の作品からは「ココ・スマイル3」「4」「フレンズ」3作品から15曲。
今回はコンサートの詳しい内容は知らなかったんだけど
それぞれ、もう一度観たかったシーンが再現されていて、とても嬉しかった。

「ココ・スマイル3」からは〝オバケの時間〟。ダンスもそのままで。
「ココ・スマイル4」の2幕冒頭、〝いくつものツバサ〟。
オーディションに参加しているキャストたちが、ありのままの自分の想いを語っていく
曲中での芝居もオリジナルキャストで再現!
「フレンズ」から〝最初の予感〟。オリジナルキャストの石井香澄ちゃん、心に沁みるソロ。
そして〝君のアジト、私のアジト〟。オリジナリティが高くて、面白さを再確認。

エンディングでは、出演者全員による「ココ・スマイル3」〝虹の大地〟フルバージョン。
すごい迫力でした。

ココ・スマイルシリーズは、「1」は残念ながら観たことがなくて(観たい!)
「2」は再演のティアラに行かせていただいたのですが
この2作品とも名曲いっぱい。

各作品にあるバラードを集めたコーナーでは、
「1」〝予感〟がとても素敵。シンガーが立派に成長していてまたすごい。
「1」は、シリーズ唯一男の子キャストが出演していて、恋がテーマの曲もあるんだよね。
メロディーが大人びていて、聴き応えある!
「2」はとにかく、キャッチーな歌の宝庫。歩きながら歌いたくなる。
フィナーレで、出演者全員で歌った「2」〝走るってこと!〟は、
今ひそかに、ファミリーミュージカルのオーディションの現場で人気、
フリーの曲に選ぶ子が増えてるそう(笑)

出演者も総勢何名?……42名!
シリーズ第1作目からの出演者が集うので、出演者の年齢層も本当~に幅広い!
この間の最新作「4」に出演した最年少9才~「1」の出演者20才台まで。
目を見張るような実力派シンガー・女優として成長している方々もいて
稽古場も、かなり刺激的だったみたい!

お客様も出演者も、そして私たち創り手も、一緒に成長を楽しめるこういう企画。
これも、シリーズとして愛していただいているから。
今後の展開はまだ判らないけど、
一緒に楽しんで丁寧にやっていきます。
これからも、応援よろしくお願いします!

ということで。
今年も目の前に来たものを一生懸命やっていきます。
友人の皆、いっぱい遊ぼうね!
音楽関係の友達も、深まって増えていくといいな。

最後に、年明けすぐにある人が教えてくれた、大切なこと。
何のために書くんだろうって悩んでいたことに対して。
「ひとの心の奥に光を届けるのが、芸術の使命である」。
そう。
何を書いていても、どんな時も、見失わないでいきたいです。


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セパレート・テーブルズ [舞台]

昨夜は溶けるように眠って、今日は起きたらもう12時半くらい。
曲流す前にめずらしくテレビつけたら、
「笑っていいとも」のテレホンショッキングのコーナーやってたの。ゲスト黒柳徹子さん。
日付感覚が全然なくって
そっかぁ。今日って日曜かぁ。総集編?とか思いながらずっと見てたら、
単純に黒柳さんのトークがハッスルしちゃってて、
コーナー予定時刻を大幅にオーバーしちゃってたんだよね。タモリさん言いなり(笑)
結局、他のコーナーを削って、あっというまにラスト「いいとも選手権」のコーナー。
なんかめずらしいものを見た(笑)

というわけで、今日は平日のお休み!
夕方くらいにようやく行動開始して、ちょっとお店覗いたり街を歩いたりしてから劇場へ。
お店うろうろするのも、夜の早い時間、がちゃがちゃしてる街に混ざるのも久しぶりだから
なんだか楽しかった(笑)
こんな〝あたりまえのこと〟が新鮮なんて、時間軸がズレてるとちょっとお得だよね(笑)

今夜は新宿、全労済ホール/スペース・ゼロ。
自転車キンクリートSTOREの「セパレート・テーブルズ」。
これは、自転車キンクリートの演出家、鈴木裕美さんが企画をした
〝テレンス・ラティガンまつり〟と銘打たれた、3作品連続公演のラストの作品!
テレンス・ラティガンという脚本家の作品を、まだ大学生の頃の鈴木裕美さんが気に入っていて
いつか大人になったらこの作品をやりたい!って温めてきていて、晴れて今回
3人の演出家がそれぞれの作品を受け持って、ほぼ一月ごとのスパンで上演する、という
かなり濃い企画だったんだよね。
1本目は、坂手洋二さん演出「ウィンズロウ・ボーイ」
2本目は鈴木裕美さん自身の演出「ブラウニング・バージョン」
そしてラスト、マキノノゾミさん演出「セパレート・テーブルズ」。

実は、私が舞台に関わりだしてから、初めて「芝居を観に劇場に行った」のが、
自転車キンクリートの作品だったの。まったく何も知らないから、先輩に連れられて。
その時観たのは飯島早苗さん脚本の「法王庁の避妊法」という作品。
それがとにかくすっごく面白くて。
女子大サークルから出発してる劇団で、脚本も演出も女性だったから
着眼点がしっくりくる感じがしたのかな。人間のあったかさをとても大切にしてたんだ。
はじめて観たのが、この作品でよかった。
私も、いっぺんで〝舞台〟や〝脚本〟にもっと関わりたいって思うようになったんだ。
それ以来、好きな劇団は?って訊かれると、必ず「自転車キンクリート」って答えてる、
今でもかなり〝特別〟な劇団。
そういうわけで、劇団の新作公演は、割と真剣にチェックしていて
この企画も前々から注目していたんだよね。

私が観に行けたのは、裕美さん演出の2作品目ブラウニング・バージョンと、今日。
両方とも、やっぱりとても面白い作品でした!
このひとの作品は、人間の両面が深くくっきりと描かれているのが特徴。

今日のは、ある小さなホテルが舞台。
そのホテルでは、リタイア後の人生を過ごしたり何かの事情で社会からドロップアウトしてる、
かなりの長期滞在者たちがメインで〝生活して〟いるんだけど、
そこにふらりとやってくる客が、その長期滞在者たちの心を掻き乱していくんだ。

まだ上演期間中につき、ここからちょっとネタバレ注意。

1幕は、毅然と美しいホテルの女性支配人と宿泊客の影ある飲んだくれ男(今つきあってる)。
     そこにやってくる突然の宿泊客、美貌のモデル(実は男の元妻。二回目の結婚も失敗)。
     〝充たされることがない〟性質ゆえに孤独が埋められないモデルの元に
     〝互いの希望に応えられず、また絶対に傷つく〟とはっきり判っていながら戻っていく男。
     〝ああもう、しょうがない〟と、男を愛しているがゆえに送り出してしまう女性支配人。
     もうどうしようもない、心の綾。

2幕は、対人恐怖症の長期滞在の女の子と、彼女が思いを寄せる退役軍人(経歴詐称、しかも
     映画館の暗闇で女性にイケナイことして執行猶予中のダメダメくん)の二人の絆。
     男も、実は対人恐怖のゆえに経歴から何からすべて嘘をついてしまう癖を持ってた。
     ふたりが〝温めあいたいのに傷つく〟ハリネズミジレンマ、
     そして自分の中の何かをかすかに、でも確かに越えていく。
          
どんなに美しく強く装っていても、人間関係が深まっていくにつれて
そのひとの本当の内面がどんどん見えていく。
それが愚かで脆くて、弱くて哀しくて。
気がつくと、最初の第一印象のその人物はもうどこにもいない、
この世に〝普通の人〟なんてどこにもいない。

人間ってそう。ある意味もうどうしようもない脆さを抱えてる。
でも愛してしまう。止められない気持ちがある。
必死で何かと戦おうと、もがこうとしてる。
そこに愛しさが溢れてくるんだ。

もうどうしようもなくなって、取り繕うことさえできなくなって、
裸になって、ひとりテーブルにつく。ただ、心を呟く。
やがて、おもむろに移動される椅子。ぎこちなく重なる手。ふたりになるテーブル。
ホテルに訪れる〝いつもと変わらない、けれど、新しいはじまりの朝〟。

なんだか、本当に見応えのある舞台を観ました。

それにしても今夜の舞台は長かった!!
1時間45分の1幕+1時間30分の2幕。
ちっとも飽きる暇はなかったけどね。
終わったの、22時半だよ。
うーん、みんな大変だ。観客も出演者も関係者も、劇場も(笑)!


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劇団a little planet『tartan check mate』 [舞台]

昨日と今日は、かなりINPUTに徹したかのような2日間を過ごせたよ!
仕事終わりでCDやずっと気になってたDVD借りてきたり
(DVDは「コニー&カーラ」。最ッ高!感想はまた後日)
そして、今日は小さな劇場へ。
目白にある小劇場「シアター風姿花伝」。友人の劇団a little planet
〝tartan check mate〟という作品を観てきました。

本当に久しぶりの小劇場空間、やけに体に馴染んで、まずそこからして楽しかったよ。
作品は、色々な種類のブルーを使った舞台装置を背景に繰り広げられる、
エアリー感のあるファンタジー。
肩肘を張らず、いい力の抜け方があって
観てて、のーんびり明るい気持ちになれたよ。やっぱり明るいのがいいね~!うん。
日曜の昼下がりに観るのにピッタリな作品!

面白かったのは、私にとっては別々のシチュエーションで出会ってきた友人たちが
それぞれにつながって、同じ舞台に関わっていたこと!
受付からして、いきなり仕事仲間のわっくぃ~がいて可笑しかった。
「え?なんでいるの!?」
「それよりはじまっちゃうよ!早く早く!」といつもの感じ。
どこで会ってもやってることは変わりません……(笑)

プロローグは、同じく仕事仲間の平田悦史演じるオズのブリキの兵隊と
エレファントハートの蜂須みゆちゃん演じるアリスのチェスのシーンから。
ブリキのパントマイムと、アリスの舌足らずなおしゃべり。
心象的に、ぎこちなく奏であう二つの音をのみこんで
ワルツに乗ってはじまるオープニングダンス。
落ち着いていて、とても感じ良かったな。
いい意味で予想を裏切ってくれて、幸せでした。

友人の劇団は、なんていうか、個人的に楽しいこといっぱい。
前に一緒に舞台をやったことがあって、今日久しぶりに観た後輩とか
なんだか、ひとりで嬉しくてめちゃくちゃ笑っちゃう。(→for れいじょー!)
小劇場のよさはここにあるんだよね。
演ってるひとたちが本当に楽しそうで、一緒に遊びたくなってくる……(笑)

それにしても。
最近の目白には、今日の風姿花伝の他、「アイピット目白」なんかもあって小劇場が急に増えたね。
馬場・早稲田とつながるのは、位置関係的に実は微妙だから、
ここは独立した新しい劇場スポットになりつつあるのかな。
そういえば最近、
ここ以外にも下北・中野・馬場・吉祥寺etcで「キレイめ小劇場」が増えてきた気がする。
「小劇場」と一口に言っても、私がやっていた頃とは随分イメージが変わってきているかも。
ニーズが変わってきてるのかな。
舞台と観客席が接するほどの「小劇場」空間であっても、
熱と熱との「距離感」はある程度保ちたいような。
薄く削いだガラス一枚くらいの膜を隔てていたいような。

またいろんな人と遊んで、最近の舞台の話聞きたいな。
私もちゃんとアンテナ立てて、センサー磨いておかないと!
遊びのお誘い、いつでもお待ちしてます☆

今ごろ打ち上げやってるだろうa little planetの皆、本当にお疲れ様でした!


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バレエ「ラ・バヤデール」 [舞台]

こんばんは!今週は、またまた出歩いてて、かなりバテ気味。
なんでこう、時間ってあればあっただけ、ぴったりきっちり何かで埋まっていくんだろうね。
選んでいるのは自分とはいえ、なんかあまりに……テトリスみたいな(笑)。
本当に私、身体もお酒もあんまり強くなくてよかった。
そうじゃなかったら今ごろ、どこにいるのか分かんないもんね。

とはいえ、半分はラッキーな悲鳴。
先日の「WE WILL~」以降、大きな舞台を観るチャンスに恵まれているかも。
20日、大好きな先輩とダラダラ遊ぶ約束をしていたら、
急遽、招待が降ってきたので東京文化会館へバレエを観にいくことに。

ベルリン国立バレエ団、ウラジーミル・マラーホフ演出「ラ・バヤデール」(全4幕)。

実は、オペラなんかを観にいってバレエ団が入っているのは観ていたけれど、
純粋なバレエの公演を観にいくのはこれが初めて!
科白がなくてどれほど物語がわかるんだろう、なんて素朴な疑問を持ちつつ席につくほど
先入観も何もほとんどない状態(笑)。
ベルリン唯一のバレエ団である、ベルリン国立バレエ団についても、
その芸術監督を務めるアーティスト、ウラジーミル・マラーホフについても、知識はゼロ。ゴメン。
(ちなみに、私が見た回は、マラーホフは出ていない回です)
だからその分、目に映る全部がやたら新鮮(笑)。
たとえば、改札を降りた正面の交差点を渡るときから、
劇場に向う女性の姿勢とスタイルが、やけに美しい。
今さらながらに知る。ああ、バレエ公演の主たる観客は、バレエに携わっている方たちかぁ。

「ラ・バヤデール」はインドの寺院が舞台になっていて、
その寺院の舞姫ニキヤと、ニキヤの恋人の戦士ソロル、領主の娘ガムザッティ……
などの人物が織り成す、純愛・野望・嫉妬・奸計、最後に愛は勝つ(でも死んじゃった)という話。

「永遠に愛してる」「でも、領主の娘との結婚が」「領主の娘さんの結婚式で舞う栄誉」
「夫となるのはまさかあの人!?」「あの女は何?目障り、死んでしまえ」
「あの人が行ってしまうなら、解毒剤は要りません。このまま死ぬわ」
「なんてことをしてしまったんだ。悔やんでも悔やみきれない」
「死した者が集う〝影の王国〟へ」「来てくれたの!?もう離れない!」「目覚めれば……幻?」
「さあ、早く結婚式をはじめて!大僧正さま」
「待って下さい!私には心に決めた人が……あれは、あの人の幻」
「血に染まるスカーフ、さてはお前があの人を殺した?」
「私は、やってないわ!さあ早く結婚式を!」
「助けてくれ!神さま!」→寺院、大崩壊。全員下敷き。瓦礫の上で再会する、ニキヤとソロル。幕。

以上、全4幕。3時間弱をお送りしました。すごいっ、なんてよくわかるあらすじなんだろう!
セリフが誰のものか、大体わかりますね?
要点はバッチリですが、実物とは多少印象が異なります(笑)

クラシックに乗っ取った美しいバレエ、
女性のしなやかさを最大限に引き出すオリエンタルな衣装。
主人公ニキヤの繊細な心が手に取るように伝わってくる、情緒豊かなプリンシパル。
各景に、それぞれ趣の違った見応えが用意され、見るものを惹きつける。
特に、第3幕の〝影の王国〟と呼ばれるシーンは、舞台奥に設けられたゆるやかなスロープを
白いチュチュを纏った踊り手たちが一人一人降りて来て、舞台を埋め尽くしていく。
〝永遠の静寂〟を目の前に立ち上がらせるような、深遠で詩的な景。

これまで、バレエは静かで、例えば、さざなみが走る水面を見るようなものだと思っていたけれど
実際観た後では印象が全く違いました。
いかに物音は何もない静かな景でも、
踊り手の身体の細胞ひとつひとつが、律された糸で連なり、
立体的に伸びて拡がっていく様を、能動的に見る感じ。
それは、氷のような冷たい静けさの中にある、圧倒的な熱。
……これがバレエなんだなぁ、と素直にショックを受けました。

本当は、もっと観る目が肥えていたら、いろんなことが受け取れるんだろうけど
なんせバレエ初心者。テクニックやワザの良し悪しは分かりません。
群舞、揃ってないけどいいの?……いや、まさか個性?どっち?みたいな(笑)。

ただし、今週は〝バレエ強化週間〟で、週末には、これまた降ってきた「ニーベルングの指輪」。
こちらは5時間に渡る大作!気分はもう、年末年始12時間大河ドラマ。
寝ないで見られるのか?判るのか!?面白いのか?……どうなの!?


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