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セパレート・テーブルズ [舞台]

昨夜は溶けるように眠って、今日は起きたらもう12時半くらい。
曲流す前にめずらしくテレビつけたら、
「笑っていいとも」のテレホンショッキングのコーナーやってたの。ゲスト黒柳徹子さん。
日付感覚が全然なくって
そっかぁ。今日って日曜かぁ。総集編?とか思いながらずっと見てたら、
単純に黒柳さんのトークがハッスルしちゃってて、
コーナー予定時刻を大幅にオーバーしちゃってたんだよね。タモリさん言いなり(笑)
結局、他のコーナーを削って、あっというまにラスト「いいとも選手権」のコーナー。
なんかめずらしいものを見た(笑)

というわけで、今日は平日のお休み!
夕方くらいにようやく行動開始して、ちょっとお店覗いたり街を歩いたりしてから劇場へ。
お店うろうろするのも、夜の早い時間、がちゃがちゃしてる街に混ざるのも久しぶりだから
なんだか楽しかった(笑)
こんな〝あたりまえのこと〟が新鮮なんて、時間軸がズレてるとちょっとお得だよね(笑)

今夜は新宿、全労済ホール/スペース・ゼロ。
自転車キンクリートSTOREの「セパレート・テーブルズ」。
これは、自転車キンクリートの演出家、鈴木裕美さんが企画をした
〝テレンス・ラティガンまつり〟と銘打たれた、3作品連続公演のラストの作品!
テレンス・ラティガンという脚本家の作品を、まだ大学生の頃の鈴木裕美さんが気に入っていて
いつか大人になったらこの作品をやりたい!って温めてきていて、晴れて今回
3人の演出家がそれぞれの作品を受け持って、ほぼ一月ごとのスパンで上演する、という
かなり濃い企画だったんだよね。
1本目は、坂手洋二さん演出「ウィンズロウ・ボーイ」
2本目は鈴木裕美さん自身の演出「ブラウニング・バージョン」
そしてラスト、マキノノゾミさん演出「セパレート・テーブルズ」。

実は、私が舞台に関わりだしてから、初めて「芝居を観に劇場に行った」のが、
自転車キンクリートの作品だったの。まったく何も知らないから、先輩に連れられて。
その時観たのは飯島早苗さん脚本の「法王庁の避妊法」という作品。
それがとにかくすっごく面白くて。
女子大サークルから出発してる劇団で、脚本も演出も女性だったから
着眼点がしっくりくる感じがしたのかな。人間のあったかさをとても大切にしてたんだ。
はじめて観たのが、この作品でよかった。
私も、いっぺんで〝舞台〟や〝脚本〟にもっと関わりたいって思うようになったんだ。
それ以来、好きな劇団は?って訊かれると、必ず「自転車キンクリート」って答えてる、
今でもかなり〝特別〟な劇団。
そういうわけで、劇団の新作公演は、割と真剣にチェックしていて
この企画も前々から注目していたんだよね。

私が観に行けたのは、裕美さん演出の2作品目ブラウニング・バージョンと、今日。
両方とも、やっぱりとても面白い作品でした!
このひとの作品は、人間の両面が深くくっきりと描かれているのが特徴。

今日のは、ある小さなホテルが舞台。
そのホテルでは、リタイア後の人生を過ごしたり何かの事情で社会からドロップアウトしてる、
かなりの長期滞在者たちがメインで〝生活して〟いるんだけど、
そこにふらりとやってくる客が、その長期滞在者たちの心を掻き乱していくんだ。

まだ上演期間中につき、ここからちょっとネタバレ注意。

1幕は、毅然と美しいホテルの女性支配人と宿泊客の影ある飲んだくれ男(今つきあってる)。
     そこにやってくる突然の宿泊客、美貌のモデル(実は男の元妻。二回目の結婚も失敗)。
     〝充たされることがない〟性質ゆえに孤独が埋められないモデルの元に
     〝互いの希望に応えられず、また絶対に傷つく〟とはっきり判っていながら戻っていく男。
     〝ああもう、しょうがない〟と、男を愛しているがゆえに送り出してしまう女性支配人。
     もうどうしようもない、心の綾。

2幕は、対人恐怖症の長期滞在の女の子と、彼女が思いを寄せる退役軍人(経歴詐称、しかも
     映画館の暗闇で女性にイケナイことして執行猶予中のダメダメくん)の二人の絆。
     男も、実は対人恐怖のゆえに経歴から何からすべて嘘をついてしまう癖を持ってた。
     ふたりが〝温めあいたいのに傷つく〟ハリネズミジレンマ、
     そして自分の中の何かをかすかに、でも確かに越えていく。
          
どんなに美しく強く装っていても、人間関係が深まっていくにつれて
そのひとの本当の内面がどんどん見えていく。
それが愚かで脆くて、弱くて哀しくて。
気がつくと、最初の第一印象のその人物はもうどこにもいない、
この世に〝普通の人〟なんてどこにもいない。

人間ってそう。ある意味もうどうしようもない脆さを抱えてる。
でも愛してしまう。止められない気持ちがある。
必死で何かと戦おうと、もがこうとしてる。
そこに愛しさが溢れてくるんだ。

もうどうしようもなくなって、取り繕うことさえできなくなって、
裸になって、ひとりテーブルにつく。ただ、心を呟く。
やがて、おもむろに移動される椅子。ぎこちなく重なる手。ふたりになるテーブル。
ホテルに訪れる〝いつもと変わらない、けれど、新しいはじまりの朝〟。

なんだか、本当に見応えのある舞台を観ました。

それにしても今夜の舞台は長かった!!
1時間45分の1幕+1時間30分の2幕。
ちっとも飽きる暇はなかったけどね。
終わったの、22時半だよ。
うーん、みんな大変だ。観客も出演者も関係者も、劇場も(笑)!


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