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お馬鹿屋敷 [舞台]

インパクトのあるタイトルですね。
今日は観劇2本立ての日♪
最近あまりにも忙しすぎて、ちょっとひどいことになっていたので
ここ2日は休養日として、気合入れて好きなことを。
自分の仕事はしばし忘れて、自由にのびのび、リラックスして劇場に行ってきました。
夜は知り合いの作曲家、田尻光隆さんが作曲をしているミュージカル
ザ・ライフ・カムパニイ「ね、ひつじの絵をかいて」@六行会ホール、
そしてその前、午後からは
南河内万歳一座「お馬鹿屋敷」を観てきました!@ザ・スズナリ
スズナリ久しぶりでした。(私にとってのスズナリといえば黒テントです)
小劇場空間にどっぷり浸れた2時間。
今日は南河内万歳一座について書くね!

南河内万歳一座は、通常は西日本に拠点を置いて活躍している劇団で
作・演出は内藤裕敬さん。
そう、内藤さんといえば、三重県でのステージラボでさんざんお世話になった
演劇界の〝永遠のアニキ〟みたいな方(なんだそりゃ)。
肝が太く懐が深そうな、熱く充ちた存在感。
三重県での短い時間の中でも、面白いこと、刺激的なことをたくさん教えてくれた。
どんな舞台が待ってるんだろう!とかなりわくわくしながら出かけました。

(以下、これから観にいくひとは読まないでね!)

眠れぬ夜の奇妙な○○、といえば某コミック系の帯コピーだけど
今日の舞台は、
そういう果てしなく長く感じられる眠れない一夜(いや、永遠に終わりのこない幾晩もの夜)の物語。

会場に足を踏み入れると色とりどりの「布団用の生地」や「着物生地」「ハギレ」などが
自由に組み合わされた目にも鮮やかな引き割幕。
「南河内万歳一座」と染め抜かれた生地がひときわキレイ。紫のグラデーションの雑布。
玄人らしく楽しませてくれる前説、肩の力を抜くようなラフな客入れ最後の曲の後は
はじまりを告げる、幻想的にも聴こえる、いくつかの素朴な音。
それが〝自らを眠らせるために今夜も歌う〟子守り歌へと発展していく。
引き割り幕がザッと開けられると、舞台を縦横無尽に埋めつくしているベットの島々。
そこに冴えた目をしてそれぞれの登場人物たちが眠ろうともがいている。
〝ねんねこや おころりよ うるさいよ うごめくよ うまれるよ~♪〟
世にも不思議な子守り歌。

眠るためにアイマスクを探している、ひたすら眠れない男、
男に対して、眠れないのは自分達のせいじゃない!と躍起になってる万年床の万作&年子ちゃん。
頭から振り払いたい何かのために、眠ることを拒否している女、
女の身を案じている、せんべい敷き布団&羽毛かけ布団のセンベイさん&羽ちゃん。
そして、固く心を閉ざして、自らから逃げるために眠りつづけている第3の男。

アイマスク男は、万年床にくるまって、隣室や上下階、隣近所に耳を澄ます。
「ほら、みんな起きてるんだよ。」
その気配に眠れないんだ。
「見えないし聴こえないものが騒がしい。」

それは、胸の中に空いている穴に、まっすぐ落ちてくるような詩。

やがてアイマスク男は〝眠れる場所〟を探して、どこへ行くともしれない列車に飛び乗る。
女は、眠らないでいるために、〝歩きつづける旅〟にでかける。
その頃、第3の男も……
それは眠りに落ちる前、疲れ果てて行き場をなくし、やはりその列車に乗っていた。

北へ向かった列車が積雪のために停まってしまい、
怪しい車掌に翻弄されて、乗客たちが流れ着いた旅館「大和屋別館」の布団部屋。
女も、歩きつづけていつのまにか雪の中、最後の力で辿りついたその部屋。

そこは、四方八方を、ぐるぐる動く布団に閉じ込められている
〝入ってしまったら決して出られない〟大和屋別館の布団ラビリンス。
「おばけ屋敷じゃない、お馬鹿屋敷さ。」
そこには、「眠ってしまったら馬鹿になる」という呪いがかけられている。

その部屋に閉じ込められた人々……男たち、女、乗客たち、そして大和屋の女将や番頭たちまで
「出口」を探してさまよい始める。
「出口」があるかなんて誰にも判らないけど。
「出口」は「入口」に過ぎないのかもしれないけど。
「目的地はない」ってことが「判った」だけかもしれないけど。

そもそも目的地なんてない。あるのは「ここ」だけなのかもしれない。
それでも。

楽しかったな!時間を忘れて没頭できた。
ベースにあるのが「ちょっと変?!」なものたちなんだよね。だからこそ斬新なキャラクター。
舞台のそこここにホイホイ出てくる内藤さんを発見するたび面白かったし!
その上、役者がよく動く動く。舞台装置(無数の段違いのベット群)までぐるぐる動く。

〝迷いながらも時は動いていく、同じ場所の繰返しに思えても前へ進んでいる〟
そんな楽観的な観測を〝そんなわけないでしょ〟ときっぱりと否定しながら
それでも、底が仄明るいような漠然とした希望を感じることができる、
熱く骨太な土臭い舞台。

帰りにロビーで会えた内藤さんの
「夜に来れば良かったのに。そしたら飲みにいけたのによ」を受けて
頭の中で、次の公演地「大阪城 ウルトラマーケット」が頭をよぎったけれど
6月上旬。こっちも修羅場。ダメだ。
うわーん。また是非!

とても楽しかったので、劇場出たそのまま、
三重での仲間@東京メンバーにメールしたのでした。
面白い舞台と出会えるって幸せだね。
何を改めてって感じですが。
それが今日いちばんの感想!


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