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「IRON」 リージョナルシアター・シリーズ [舞台]

今日も仕事はバタバタだったけど、20時過ぎる頃にはやっと一段落。
そこから、心がゆる~くなっている感じのまったりトーク。
皆、どっか外れていてやたら笑いました。疲れてるんね。既にちょっとおかしかったです(笑)
話題は、懐かしの「初期ボキャブラ天国のネタ」について!
私はあんまり覚えていないんだけど、覚えている人たちが教えてくれました。

クリスタルキングの大都会「ああ~♪果てしない~♪」 → 「ああ~♪禿げ歯科医~♪」
イトーヨーカ堂 → イトーヨーカ堂の前で出会う二人。「伊藤!」「よぉ、加藤!」
ビューティフルサンデー?「♪さわ~やかな日曜~♪」 → 「♪さわ~やかな生霊~♪」
爽やかな生霊。
白い着物の分かりやすーい生霊が、緑の草原で自転車を漕いでる画らしいっす(笑)

というわけで今日は、先日観てきたリージョナルシアター・シリーズの話を!
あんまりまとまってないけどゴメンね。

まず、「リージョナルシアター・シリーズ」って聴きなれない言葉だよね。
これは〝今、地方で旬の劇団に東京での上演機会を!〟という目的で開催されてるシリーズで、
今年も大阪・盛岡・札幌・北九州から地域でコアなファンを持つ実力ある劇団が誘致され、
東京芸術劇場で週替わりで公演を行ってました。
私たちとしても、その場所に行かなくちゃ観られない劇団の舞台を、
東京に居ながらにして集中的に観られる、いい機会!
私はシリーズのトリを飾った作品「IRON」(アイアン)を観ました。

「IRON」(作・演出/泊篤志)は、
北九州を拠点にしている泊篤志さん率いる劇団「飛ぶ劇場」の代表作。
初演は99年。これまではク・ナウカの宮城聰さんなどが演出されていて、今回3回目。
今回は、北九州芸術劇場×飛ぶ劇場のコラボレーションで上演されました。
キャストも美術もスケールアップ。乾いているのに、静かに熱い・熱い作品。

日本列島と朝鮮半島の間に位置する小さな島「糧流」(カテル)、
第2次世界大戦中のどさくさに紛れて日本から独立し、独立国家を築いてる。
どこの国とも外交をもたず、ただ総統への絶対服従によってだけ成り立つ国家。
経済的に、行き着くところまでいってしまっていて、配給の食べ物も少なくなってる。
互いの密告・仕掛けられる罠はあたりまえ、どこにでも誰かの裏切りの眼……。
舞台は、その国技・卓球の強化選手たちの合宿所のような場所で展開します。

合宿所の3人の選手達、多久(タク)・上糠(ウエヌカ)、そして板民(イタタミ)。
板民が抱いているノゾミは、ただ唯一『国外への脱出』。
そのノゾミの欠片までも消し去ろうとする、政府側の策謀。
そんな板民と対照を成す、
日本から帰ってきたが、糧流人にも、ましてや日本人にもなれないコーチ・宮連(キュウレン)の姿。

あらゆる脱出の方策が試されて潰され、僅かな成功の確率さえも残されていない中で
脱出を渇望する板民。
国での未来も恋人も捨てて。その先に何があるかは見えない。
〝ただ、そうせずにはいられなくて〟。
「脱出」という名前の、激しい「未来志向」。

美術も演出も面白かった。
円形に切り取られた舞台を、ぐるりと小さな独立した家々が囲んでいるの。
場によって、その家々がぐるぐる動く。閉塞感が際立ったり、素知らぬ距離感が出来上がったり。
そして音楽と舞踏!
主軸とは別に語られる、もうひとつのストーリィーがあるんだ。
その国に昔からあったという伝説。
土地から採れる至宝の鉄(クロガネ)という鉱石。
それが大好物だという朱金の龍と、その龍に必死に戦いを挑みつづける男の話。
まるで土地から湧き上がるような歌と舞踊が
〈祝祭〉の熱をそのままに、龍と男の戦いが描かれていく。

二つの軸が溶けあって迎える終着点。
乾ききった皮膚の奥にある熱。
流す血は鉄の味。鉄(クロガネ)は、身体の中に流れてる。

リージョナルシアター・シリーズの特色のうちの一つとして
この舞台も、九州地方の方言そのままで語られているんだよ!
それは新鮮な体験。
裸のそのひとの心を、無造作に手渡されるような瞬間があるの。
思わず受け取ったものは、そのまま沁みていくんだ。

東京にいると劇団が溢れていて、簡単に幕が開く。
だけどその中で
ほんとうに光を放っている舞台を探し出すのは、難しいなぁって思う。
だから今回、リージョナルシアター・シリーズを観にいって感じたのは、
土地と一緒に成長を続けている地方の劇団の「芯」の強さ。
羨ましいな、とさえ……思ってしまいました。

そうそう!この日この劇場で、三重で一緒に過ごしたずっこさん、津村卓さんに会えました。
こうして東京で会うなんて不思議な感じ。
会えた途端に笑い出してました、なんとなくね(笑)

今回の、劇団と劇場のコラボレーションで生まれた「IRON」のように、
こういうところから次の舞台が生まれていくのかも。
できるだけ立ち会っていきたいな。一度しかない瞬間を、見逃さないように。

それでは、またね。
明日は、今月のある意味イチバンの山場。早めに寝ネバです!


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