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WE WILL ROCK YOU [舞台]

今夜こそ決着をつけなくちゃならない歌詞がある!ので、今はそのウォーミングアップ(笑)。

先日、予備知識をほとんど持たずに行った新宿コマ劇場「WE WILL ROCK YOU」。
忘れないうちに感想でも。
実は、バンド・ヒストリーのミュージカルかな?とか思って行ったのですが(笑)、
実際は「マンマ・ミーア!」(ABBAの曲でストーリーを構成したミュージカル)のクイーン版。
クイーンのヒット24曲をひとつのストーリーでつないだ舞台で、
ミュージカルというよりは、まさに「ストーリー仕立てのライブ」という感じ!
舞台脇、上手側にはシンセ&エレクトーン、下手側にギター2本&ドラムセクションのバンドが入り、
彼らのライブ会場みたいに観客を煽ったり自分たちも歌ったり、
ステージ上のキャストと同じくらいに魅力的なプレイで愉しませてくれました。
また、観客も応える応える。しかも普段劇場では見かけない40代~50代のオジサマも多い。
どうして?平日マチネなんですけど(笑)。
それくらい、クイーンファンにはたまらない舞台なんだろうな!

本当に、「INNUENDO」から「BOHEMIAN RHAPSODY」まで、
クイーンを知っていればいるほど楽しめる〝明るくマニアック〟な舞台。
ストーリーも、曲ありきで引っ張ってくるから、なんだそれ!こう来るか!的な面白さが満載。
しかも随所に散りばめたロック・アーティストたちの小ネタに、会場は徐々にヒートアップ。
脚本は、コメディ出身のベン・エルトン氏。まったくもう、ホントにマニア心をくすぐるのがお上手(笑)。
でも、これほどまでに偉大なバンドの曲を取り扱っても、いい意味で呑まれずに
大人も子どもも楽しめる、魅力的にチープ&シンプルなストーリーが作れるなんて!
ある意味、マンマ・ミーアよりすごい。何かを創る原動力が〝楽しさ〟であるひと、本当に尊敬!

音楽最重視の舞台なだけに、キャストの歌唱力は本当にすごい!
歌のもともとのメッセージ性を、何倍にも膨らませて届けてくれた感じ。
主人公の名前(役名)は、ガリレオ・フィガロとスカラムーシュ(BOHEMIAN RHAPSODYより)。
驚いたのは、今まで観たことがなかったヒロイン像。
全然かわいくない!むしろ、外見はかなりキビシイ。性格も呆れるくらい幼い。
ドロップアウトしたとこで生きてるって設定は同じでも、
「RENT」のミミのような強さも信念も、セクシーさもない。服のセンスも垢抜けない。
あるのはただ「どこかに行きたい!」「誰かを愛したい!」という、まっすぐなパワーと情熱。
不器用で、隠すことさえできない。つまり、どこにでもいるような普通の女の子なんだ。
その子が、ロックは、ただ愛のために作られた音楽だっていうこと。
やっと出会ったガリレオと、愛を深めていきたいんだって叫ぶこと。
その姿は本当に健気。あまりにも等身大。
なので、いつのまにか自分がそれを叫んでいるような気持ちになってしまった。
う~ん、やられた(笑)。

最も感動したのは、「WE WILL ROCK YOU」の歌、そのもの。
あの有名なサビ以外は、なんて歌っているのか、今まで気にも止めずに来たの。
それが、あんな歌詞だったなんて!歌いだし、あまりにも鮮烈。
〝路地裏で、大きな音を立てている少年よ。今は顔に泥を擦り付けているが、
歌い続けろ。いつの日か偉大な男になるだろう。〟(だいたいの意訳)

「BOHEMIAN RHAPSODY」も。〝ママ、たった今ひとを殺してきたよ〟。

この舞台を通して、クイーンのことロックのこと、もっともっと知りたくなったのは事実。
帰り道に聴いてたAerosmithも、これまでとは全然違って聴こえるようになった。

うんと聴きたいけど、広すぎて深すぎて、どっから手をつけたらいいのやら。
とりあえず近いうちに「ジュエルズ」買うか、みたいなところなんですが……

ダメ?(笑)。


「WE WILL ROCK YOU」日本公式HP
あの強烈にポップなスカラムーシュ役の女優さんが紹介されてるのは
コチラ。
これを見るかぎりでは、とっても素敵な凛とした美人なのに(笑)。




谷山浩子さん「幻想図書館vol.3 ~アタゴオルは猫の森~」 [舞台]

とうとう4月!仕事柄、どうしても今日から一年がはじまる気持ち。
さて。打ち合わせも終わって、今夜からは第2稿に向けての検討開始!
間近に控えたオーディションに向けて、とりあえず書き直しのプランを練ります。
課題はたくさんあるんだけど、そのぶん引出しを開けてもらえるんだよね。
ほんとうに、自由にリラックスすることが一番!
刺激いっぱいもらって、気合入れなおして、次の締め切りへGOーーー!(いつもこんなん…、)

ところで。こんな日々の最中にも、行くとこには行ってました(笑)
3月27日(締切日!)に東京グローブ座で開かれたコンサート、
シンガーソングライター谷山浩子さん「幻想図書館vol.3 ~アタゴオルは猫の森~」。
これは、本当に、物語のようなめぐりあいを果たして行かせていただいた舞台。

自分の中に残っている、大切な曲をいくつか挙げるとしたら?
そんな質問が来たら、きっと真っ先に思い浮かべる曲。
口に出すのをためらうかもしれないのは、それだけ大切な曲だから。
私にとってのそんな曲が、子どもの頃にNHK「みんなのうた」で観た、「まっくら森の歌」。

この曲は、覚えているひとがきっといるよね。透明感のあるかわいい映像も印象的。
小さな猫とネズミが、深く柔らかな闇に閉ざされた森に迷い込んでる。
そこは魚が飛んだり、鳥が泳いだりする、不思議な空間。
間奏では、黒い帽子を目深に被った真っ黒な男が、静かに木々の間を通り過ぎてく。
少し怖くて、目が離せなくなる。この曲を歌っていたのが、谷山浩子さん。

ところが今になって。この曲が好き!というお話を偶然していたら、
本当に出会うことができてしまったのです。谷山さん!
やさしくてフレッシュ、とてもあかるいパワーを持っている方でした。
しかも、「あの曲を作ったのは25才のときだったの」と、笑顔!
そして教えてくださったのが、このコンサート。

コンサートなんだけど、ますむら☆ひろしさんの「アタゴオルは猫の森」をベースとした
オリジナルストーリィ&書き下ろし新曲で綴られる、ミュージカル仕立ての舞台!
演出・脚本・構成は、串田 杢弥さん(大正直劇団)
音楽監督は、石井AQさん
なんと、谷山浩子さんがテンプラ、石井AQさんがヒデヨシ、斎藤ネコさんが唐あげ丸を演じながら
歌・ピアノ・ヴァイオリンを自由に奏でていくのです。
これがまたキャラクターもピッタリだし、素朴で、すっごくあったかい可笑しみがある。
串田杢弥さんや他の役者さんの存在感も抜群!
もちろん、谷山さんの澄んだ声にリリカルな歌も、心いっぱいに降り注いだ。
緑の影ゆれるアタゴオルの世界観は、あの「まっくら森の歌」の世界にも似て。
闇の世界の理をも内包しているから、月のように澄んだあかるさが冴える、
そんな、谷山さんの世界を体験してきました。

自分の思い入れをも踏まえて、長い長い物語を読んだような感動をもらいました。

谷山浩子さんHP


フラメンコ→未来劇場 [舞台]

書いてる最中は、一日がびゅんびゅん過ぎてく(笑)
心もかなりメロウな状態になっていて、普段よりは
いろんなものを受け入れやすい土壌になってく。

そんな毎日の中で体験させてもらった、特別な夜。
もう一昨日のことになってしまったけれど、
私を脚本書き始めたばかりの時からかわいがってくれてる方と、
今一緒にお仕事をさせてもらってる、ジョーズカンパニーの桝川譲治さん、
あるミュージカル劇団の方と、六本木でお会いした。
日本蕎麦のお店で食事をした後、移動して地下にあるフラメンコのお店へ。
小さなステージエリアを取り囲むように、赤いビロードの椅子席、
舞台の文字のように見える、これも赤で統一されたカウンターバーエリア。
小さな黒いピアノ、裸の照明……この場所は、以前よく親しんだあの場所に似てる、そう思った。
そして始まった、フラメンコのパフォーマンス。
ダンサー・歌・ギター、どれもが本物だった。テンション、眼差し、リズムに震動、鳥肌が立った。
ラストは、スペイン語での「マイ・ウェイ」、ゆるやかなコーラスがついて店中を満たした。

このお店で出会った、ゆかりの人を通して、よけいに深まった確信。
この空間を、私は体験させてもらったことがある。
里吉先生の未来劇場という劇団。……今はなき鬼子母神の小さな劇場。
薄暗い鬼子母神の森を抜けると、突如現れる、ピンク堤燈の民家。
そこだけぼうっと霞んで、なんともいえず怪しげな場所。
狭いエリアに赤いビロードの文字の舞台。民家改造の名残で、鴨居さえある。
そんな場所で、超一流のミュージシャンによる、本物のレビューを見せてもらっていた。
リズムセッションの合間に、都電の通り過ぎていく音。
可笑しくて哀しくて、この劇場でしか味わえないもの。とても愛してた。

私にはまだ、ジャズやレビューを語ることは出来ないけれど、
一番最初に、レビューを心から愛する方たちの美意識に貫かれた舞台を
繰り返し繰り返し見せてもらったことは、大きな糧になっている。今になって気付く。
世にも極上な遊び心、そういうものがあるんだってこと、
生きていく肝心要なところを、あの怪しい場所で教わった。


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