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おもしろ辞書 [本]

ギター買う下調べに、相場とかどんなものがあるのかを見に
御茶ノ水に行きたいな~って漠然と思ってたんだけど、寒さと湿気のためあっけなく断念(笑)。
ちょっと熱があって風邪の入り口にいそうな気がしたので
あったかくして家でお仕事。
熱いミルクティー淹れて、五線譜ノートとBのエンピツ、譜面と資料を広げて
保留中の歌詞2曲を一気に片付けました!

歌詞を書く時は、書き下ろしの曲だったら音源を絶対に用意してもらうんだけど
それ以外に必ず用意する、秘密ツールがあるのです。
それは……辞書。

いやいや、これがただの辞書じゃないのだよ。
自分が全く思いつかない観点を与えてくれるっていう点で重要な2冊、
「逆引き広辞苑」と「表現類語辞典」!!

「逆引き広辞苑」:文字通り、言葉のいちばん下の音から探していく辞書。
           シャレとか考える人にはうってつけ☆
           (あ、あとクロスワード作りとか!?ラッパーもこれで影の努力をしてるかも)
           ためしに適当なページを開いてみると……「とい」。
           「とい」  意図・異図・井戸・異土・緯度
                 イド
                 ファイト
                 ドッグファイト
                 インファイト
                 スウィート
                 機械糸
                 エイト
                 ウェイト
           などと並んでるんですね~。
           言葉の下から探すので、もしもお目当ての言葉があってそれを探すとしたら、
           かなりめんどくさい。単純に、意外な出会いをお楽しみください。

「表現類語辞典」:「こういうこと言いたいんだけど、なんか言い方あるかな」を探す辞書。
           〝こういうこと〟っていう大目的を開くと、そこに類語が並んでいます。
           また適当に開いたページ「わたくし」。
           「わたくし」  私・わたし・あたくし・あたし・あたい
                    あっし・わっし・わっち・わし・わて・あて
                    僕・俺・おいら・こちとら・手前・みども・拙者・それがし……
           最後の方は、武家時代にいっちゃってますね。
           こういう言葉に、基本的な意味と使用された名作文学の一節が掲載されてます。
           ここまでくると〝読み物〟になっちゃって、
           焦ってる時に開くのに、全然役に立たなくって腹が立ちます。

さて、うちには他にもかなりマニアックな辞書があります(笑)
こちらは2冊姉妹セット。「感覚表現辞典」と「感情表現辞典」。
これはね、使いたい単語があるとするでしょ?
それがどういう風に表現されているか、文学作品中に出てきたその単語部分を集めた辞典!
感覚編と感情編は、くくりが違うだけで、中のスタイルは同じ。

「感覚表現辞典」:適当にひらいた「月」の項。
           「月」 ・道はさらにのぼり、田に敷かれた水がはるか足元で月光を弾いている。
                                               (宮本輝=蛍川)
               ・月光に照らされた海はまた一層感じの深いもので
                                    (武者小路実篤=若き日の思い出)
               ・青い月の光に照らされて、校庭の桜の大木が、夜目にも
                クッキリ浮き上がって見える。  (折原みと=桜の下で逢いましょう)

           ……うーん、宮本輝と武者小路実篤と折原みとが並んでる。
           どうでしょう。かなり大胆かつ節操ないこのラインナップ☆
           名作文学作品から乙女の永遠!ティーンズハートまで、
           同じ言葉が出てくる文章を、一度に読めます。
           
でもね、実際「月」を描写するためにこの辞典を開くとするでしょう?
ここに出ているのは〝「月」という単語が使われた一文〟なんだよねぇ。
あの光の冴え、空の明度、やわらかく落ちる街路樹の影……、
そういうものをもっともっと描写したくてページを開くのに、
その瞬間、なんていうか毒気を抜かれます。
さらに、自分が書きたかった感じもなんだったか忘れます(笑)
うーん、役立たない!

どうでしょう。うちにある、かなりステキな辞書たち。
欲しくなってきたでしょう!?
そして、何年かかけてこのラインナップになっているんだけど、
今はじめて、ほんとに自分がマニアックだってことに気付きました……orz

最後に、かなり大事なハナシ。
はっきりいって本気で全然役に立たないです、この子たち☆(もちろん私の仕事ではね!)
過去の採用率0パーセント。
でもさ、なんて健気なんだろう。
編纂してくださった方々の努力を思うたび、愛しさが募ります。

脚本でも歌詞でも他の書くシゴトでも、最終的に選ぶのはやっぱり絶対に自分の言葉。
でも煮詰まってる時とかは、「これさえ開けば!!」って頼りたくなるもんなんだよね。
だからついつい大きな本屋に行くと、目新しい辞書がないかチェックしちゃう。
やな習性(笑)
でも辞書は高いし場所取るからねぇ。買うには勇気がいるのですよ!
ちなみにここ何年か、
私の中で不動の№1を誇っている〝今いちばん欲しい辞書〟は……

「アイヌ語辞典」!!!

これさえあれば、北方風土の生活や文化の根本、考え方がわかるだけではなくて
いろんなものを自分だけアイヌ語で呼んでみたり、
暗号ごっこができたり秘密の友達ができたり、
密かにワクワクすることいっぱいですよ?!

……実生活でまるっきり役立たないこと請け合い。

今晩は「読書の秋」らしい話題ができて、よかったと思います☆


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kenchan_

はじめまして。こんにちは。

こんなに辞書があるなんて驚きですね~。
というわけで、勝手にniceをつけちゃいます。
by kenchan_ (2005-10-10 01:42) 

たけうちちえ

☆最近すごく役に立った辞書:「イメージ・シンボル事典」脚本書くときに自分の知らない逸話がたくさん出てくるので、ギリシアでは昔・・・だったらしいが・・・とかいうこれも結構マニアックなのがいい。
☆今すごくほしい辞書:「ファンタジー語事典」「ファンタジー架空地名事典」
タイトルどおり。すごく広い範囲を網羅してます。っていうか架空地名で地図作ったり、ファンタジー人名(人じゃないか)とか、もうどこまで自分は知っているのか、ってことが重要になってきて・・・ああ、マニアック・・・
by たけうちちえ (2005-10-11 10:42) 

IkueOsada

kenchan_ さん、はじめまして!コメントありがとうございます。
また遊びに来てくださいね☆

ちえちゃん、イメージ・シンボル辞典…うっわ、めちゃくちゃ見たい。
さすがいい感じにマニアックだね。
ファンタジー系辞書。それはアレだよね、
「指輪物語」第10巻(資料編)を買っちゃうときの気持ちだよね(笑)
中つ国の地形に歴史、種族の史料、
アラゴルンは「韋駄天さん」だし、ゴクリは「いとしいしと」よね!(ちょっと違う)
今度、本屋デートしましょ。
by IkueOsada (2005-10-14 23:06) 

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