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「井上ひさしを語り継ぐ」、無事に終了。 [舞台]

23日「井上ひさしを語り継ぐ」が無事に終了しました。
本当に素敵な、しみじみと、豊かな時間となりました。
温もりのある会。
司会は渡辺えりさんと鈴木聡さん。
明るく華やかなワンピース姿で登場されたえりさんと、
ピンクのネクタイで登場された鈴木さん。
生前、井上ひさしさんが
余計な気遣いはしなくていいよ、雨の日にスーツなんて着たら
クリーニング代がかかるじゃないか、そうおっしゃられていたとのこと。
ですからこの会は、喪服などではなく平服で。
しんみりとするのではなく、あかるくあかるく。
井上ひさしさんの言葉に、劇場中一体となって耳を澄まそう、
そんな会になりました。

私は、劇作家としても演劇人としても、まだまだ未熟で、若手で
この大舞台に同席することが、本当に大きな経験となりました。
役者じゃないから劇場で一人でせりふを語るなんて場に慣れていないし
色々考えるとアガってしまうから、
とにかく、先生にありがとうをお伝えしよう、それだけを考えていました。

最初のご挨拶は別役実さん。
小学館「せりふの時代の刊行」など、
先生が果たしてくださった功績を挙げられて。
最も印象的だったのが、先生がとても愛煙家だったことを話されて
全国の劇場に「井上記念喫煙室」を作ったらいいんじゃないか、なんて言葉も。

そして、劇作家たちがそれぞれ選んだ「井上ひさし戯曲からの一節」を朗読。
どの箇所も、その方ご自身がお選びになるのにふさわしく、
そして語られることで、さらに光が増すような箇所ばかり。
井上ひさしさんへの想いをひとこと、添えられる方も。
「道に迷っていた時に、この戯曲と出逢った」永井愛さん。
「言葉のプロフェッショナルになろうと決意したときに出逢った」野田秀樹さん。
ふじたあさやさんの放送作家時代の井上さんとのエピソード、
平田オリザさんの、井上さんと語り合った「劇場=広場」への想い、
どれもこれも、忘れられないものばかり。
渡辺えりさんの『化粧』は、朗読ではなく、もう演技を観ているようでした。

それぞれの劇作家が読んだのは、次の作品。

青井陽治 『ある八重子物語』
赤澤ムック『化粧』
石原美か子『ロマンス』
長田育恵 『夢の泪』
工藤千夏 『人間合格』
小松幹生 『うかうか三十、ちょろちょろ四十』
坂手洋二 『日本人のへそ』
篠原久美子『頭痛肩こり樋口一葉』
佃典彦・平塚直隆 『国語辞典殺人事件』
永井愛  『しみじみ日本、乃木大将』
長塚圭史・丸尾聡 『太鼓たたいて笛ふいて』
長谷基弘 『国語元年』
羊屋白玉 『十一ぴきのネコ』
平田オリザ『イーハトーボの劇列車』
ふじたあさや 『十一ぴきのネコ』
別役実  『藪原検校』
マキノノゾミ『夢の裂け目』
本谷有希子『組曲虐殺』
横内謙介 コント『看護婦の部屋』
わかぎゑふ『ある八重子物語」
鈴木聡  『頭痛肩こり樋口一葉』
渡辺えり 『化粧』
野田秀樹 『小林一茶』

そして、最後の作品『組曲虐殺』にご出演の
ピアニスト小曽根真さん、井上芳雄さん、神野三鈴さんが
組曲虐殺からの三曲を歌ってくださいました。
途中からは渡辺えりさんも加わって。
すごく、心に沁みる歌でした。
まるで一曲ずつが
誰かの、私たちの、人生が描きこまれた、大きな物語のように。
最後の言葉は、齊藤憐さん。
憐さんのことば。同じ時代を背負ってきた演劇人の重み。
憐さんのふっと緩んだ口元、
笑顔と呼ぶよりはもっとささやかなその表情を見ていたら
涙がほろりとこぼれてきました。

舞台上で戯曲を読んだ24人の劇作家たち。
劇場にお越しくださった方々、
劇場のそとから、心をお寄せくださった方々、
同じ場で、同じひとときを共有しながら
それぞれのひとが、それぞれの「井上ひさし」さんと語り合うひと時。

たくさんの言葉を、心の中で交わしました。

劇作家たちの打ち上げは高円寺の沖縄料理店!
そこでも素敵なお話をたくさん聞いたのですが……
それはまた、次回☆

この会で歌われた井上芳雄さんの歌と、この会の模様は少し
6月6日にあるNHKの井上ひさしさんの特番かなにかで流れるみたいです。

 
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