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知らざあ言って聞かせやしょう [脚本]

こんばんは!
今日は急遽仕事の都合がついたので、古典戯曲の読み合わせ会へ。
本日は、歌舞伎 河竹黙阿弥「青砥稿花紅彩画」 (あおとぞうしはなのにしきえ)。
「弁天小僧」で知られる物語。
弁天小僧といえば、有名なせりふ「知らざあ言って聞かせやしょう。」!
私もこれだけは知っていて、歌舞伎座で借りる「イヤホンガイド」の宣伝ポスターが
この弁天小僧が片肌脱いでるイラストに“知らざあ言って聞かせやしょう”の宣伝文句。
舞台では見たことがなかったので、戯曲を通じてついに!このせりふとご対面しました。

いなせなせりふ回し、七五調のリズム、いきいきとした町人たちの暮らしっぷり、当時の風情、
口に出しているといやでも元気になってくる。カラッと突き抜けた鮮やかな人情劇。
コトバのひとつひとつが本当に面白かったよ。

舞台は高級呉服屋浜松屋。
世にも麗しい、まさにほころびかけの蕾のような初々しい乙女が、伴の者とやってくる。
色めき立つ番頭さんたち。
「これはト一なお嬢様、これへいらっしゃいまし。」
               (ト一、縦書きで書くと分るんだけど「上」の分解、上玉の意♪)
ところがこちらのお嬢さん、店の商品を懐へ。
番頭が見咎めたところ、その商品にはなんと別の店の紋が。
嫁入り前の娘さんに万引きの罪をかぶせようとは、この落とし前どうつけてくれる?と
伴の者が色めき立つところで、
店へ来ていた他のお侍が、「そいつは偽り者。」と見抜く。
「二の腕にちらりと見たる桜の彫物、なんと男であろうがな。」
正体顕す弁天小僧、
「べらぼうめ、男と見られた上からァ、窮屈な目をするだけ無駄だ。
もしお侍さん、ご推量の通り私(わっち)あ男さ、どなたもまっぴら御免なせえ。番頭、煙草盆を貸してくれ。」

……

話はこの後も紆余曲折あるんですが、
実は、この仲介に入ったお侍が弁天小僧一味の大ボス、日本屈指の大泥棒である日本駄右衛門。
店にいた他の客さえ実は一味。最後は全員正体顕して、
泥棒親分格5人衆「日本駄右衛門」「南郷力丸」「忠信利平」「赤星十三」「弁天小僧」が勢揃い。
読んでいるだけでなんとも鮮やか。
頭の中は勝手に、そりゃあもう抜けるような真っ青な空!

歌舞伎の本を読んだのはこれが初めてなのですが、すごく面白い時間でした!
この言葉使い、この世俗の感覚……どうにかして身につけることができないかな。
したら、いつか江戸物書けるよ。
どうやったらいいんだろう。
歌舞伎の本をこれからも読む。
そして、鬼平犯科帳?大岡越前?水戸黄門?木戸番小屋?暴れん坊将軍……?
どっかからか絶対間違ってそうです。
しばらく河竹黙阿弥読んでいきたいです!

……

「それじゃあ、まだ私等(わっちら)をお前(めえ)方は知らねえのかえ。」
「おお、何処の馬の骨か、」
「知らねえわ。」
「知らざあ言って聞かせやしょう。……」


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