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「奇跡の人」 [舞台]

観てきました、青山劇場「奇跡の人」。
ヘレンとサリヴァン先生という、二人の物語だと思っていたのだけれど、それは大きな間違い。
これは紛れもなく、〝家族の物語〟。
ヘレンはいうまでもなく、壮絶な過去を持つサリヴァン先生も絶対的な孤独の中にいる。
そして、ヘレンを抱えた家族たちも……それぞれが違ったカタチの孤独の中にいる。
ヘレンに振り回されていて、自覚は全くないけれど。
そんな孤独の中にいるひとりひとりが、「家族」として食卓を囲むようになるまで。
暗闇の中を手探りで歩きつづけて、明るく力強い鐘の音とともにくる夜明けの淵で、
どうにか足をふんばって、手を伸ばし、つなぎあうひとたちの物語。
それが私が感じた「奇跡の人」でした。
もちろん田畑智子さんVS石原さとみちゃんの体を張った演技に拍手。3幕3時間以上だよ!
とにかく、すごくフレッシュで驚きました。このフレッシュさ、ちょっと他にない(笑)
小島聖さんも素敵。
鈴木裕美さんの演出は、やっぱり骨太でのびやかで、ヒューマニティ&ユーモアがあって。
「第17捕虜収容所」を思い出しました。もちろんもっと豊かに結実したカタチで。
回り盆の美術も堪能しましたよ♪

最初から最後まで、アニー・サリヴァンがヘレンに教えたかったことはたった一つ。
それは礼儀でも行儀でもなくて。

〝言葉は、「光」であり「目」。
言葉がないと、何も見えないし世界とも、自分の心とも向き合えない。
5千年前の世界のことも、言葉っていう目を通して、私たちは見ることができる。
だから私は、ヘレンに教えたいの。
すべてのものには、名前があるということ。この世界には「言葉」があるということ。
「言葉」を手にしたら、見えるようになるの、世界が。〟

本当に見応えのある舞台でした!
(ホリプロゆぞくん、ありがとう☆懐かしい仲間がけっこう来てたね。)

今日は、その舞台、友人の右近きょんちゃんと観にいって……
彼女の書いた虹の話をもらいました。
そして私にとっての「ウォーター!」となるコトバも(笑)。
それは、私たちが学生の時に教わっていた作家の久間十義先生から
当時きょんちゃんがもらった言葉。
彼女は何気なくそれを話してくれたんだけど、
ちょうどまさに、今の私が必要としている、方向を示してくれるものだったんだ。
8年近く経った今、先生からではなく、彼女から今の私にそれを手渡してもらったこと。
すごく大きな意味があるように思いました。
今日じゃなければ、ふぅんと見過ごして記憶にさえ残らなかったかもしれない。
価値を全く感じなかったかも。
時を経て、「渡されるべき時に、渡されたんだなぁ」と。

今日買った、小さなブラックシェルのリングと一緒に、その言葉をもっていたい。
心にたくさんの栄養をもらった一日でした。

あ、そういえば。今日は中学校の稽古、目黒区広報の取材が入りましたよ。
でも私はわりと一生懸命に練習に向きあっていて、
いつ写真撮られたかとか全く判らないや……。
そして、社会教育講座も始まります。今週の金曜日、あさってから。
肝心の脚本は……最後まで書けてない(うんと小声で)。
最初の顔合わせ&本読み終わってキャスト決まってからね!
キャストに合わせて書くですよ、うん。


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右近

いくえとは、同じ夢に向かって走る仲間だなあ、と今日改めて感じました。
それぞれの物語を、それぞれの言葉を語り続けていきましょう。
今日、一緒に舞台を見れて、よかった!
by 右近 (2006-10-12 01:14) 

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