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劇作家協会、リーディングフェス出演 [脚本]

昨日はおはようからおやすみまで、働きづめな一日でした。
朝から座・高円寺で開催されている劇作家協会プログラム
『ドラマ!ドラマ!ドラマリーディング! 』という劇作家による戯曲フェスに出演。
リレー戯曲 『嵐が丘』のリーディングに参加してきました。
これは劇作家協会の機関誌「ト書き」に連載された、
『嵐が丘』とのタイトルのもとに書き継がれた戯曲を、
一挙にリーディングしようというもの。
今あったのは全部で19回分。執筆者の皆さまは下記の通り。

[作] 渡辺えり 平田オリザ 川村毅 永井愛 杉浦久幸
   鴻上尚史 別役実 泊篤志 横内謙介 鐘下辰男
   如月小春 夏井孝裕 堤春恵 岡部耕大 高野竜
   松田正隆 マキノノゾミ 長谷川孝治 小里清 (執筆順)

なんていうか、すごいのよ。つながり方が。
もちろん単発で各回を読んでも、本当にすごいのだが。
相手からどんなバトンを受け取っても、一瞬で自分の世界を立ち上げてしまう力量、
反対にどんなバトンを次に渡すのか。
バトンというのは気づきだったり、しるしだったり、謎だったり
様々な形をしているのだけれど、そこに、ぶわっと個性が立ち上がって。
いやぁ……やはりすごい。
たった一言の台詞で、個性が出るなんて。世界が出来上がるなんて。
残念なことにこのリレー戯曲は完結していなくて、
坂手洋二さんが最終ランナーとして控えていたのだけれど、
そこまで回らなかったの。
坂手さんがどんな結末を記したのか、ぜひぜひ読みたかった。


そしてリーディングイベント出演の読み手はこちら。
渡辺美佐子さんと高橋長英さんは本当に凄い。
リーディングで、ほとんど合わせる時間もなかったというのに、
濃密な世界が出来上がっていた。
若手劇作家の出演としては、わたしと、こゆび侍の成島秀和さんと、フルフルのヒロセエリちゃん。
ひさしぶりに会えたし、楽屋であれやこれやとお喋りできたのでした。
なんだか、こうして舞台で台詞を伝える機会が増えてきて
つくづく自分も演劇ワークショップに通っていてよかったと思う。
一年間、声を出すことをしていたから、「声を出す」ことが怖くなくなった。
ちょうど先週も、「てあとる・しだい」の『月夜のおるがん』で声を出したんだから、
舞台に立ったんだから、と緊張しないで、楽しんでできました。
月夜のおるがんの方が心臓ばくばくでした。

[出演] 渡辺美佐子 高橋長英 今里真 志賀未奈子/
    長田育恵 工藤千夏 坂手洋二 夏井孝裕 成島秀和
    ヒロセエリ 別役実 マキノノゾミ 渡辺えり (50音順)

劇作家協会ならではの面白さとしては、書いたご本人がご自分のト書きを読むのよ。
夏井孝裕さん、別役実さん、マキノノゾミさん、渡辺えりさんは
ご自分が書かれた部分を読まれていたの。
別役実さんが読まれたご自身のト書き。「風が吹く……」。
別役世界の真骨頂が、ふと呟かれるこのト書きにある気がして
ぞくぞくしておりましたよ。

渡辺えりさんのトークも面白かったよ。
えりさんは最初ほんとうにグローブ座などで上演できるように
登場人物が少ない芝居を書いていこうと打ち合わせした。それなのに、
二番目の平田オリザさんが早速「旅芸人の一行が通り過ぎる」なんて書いたせいで!などと(笑)。

クリエイター同士がひとつのことをやるのには、いつだってややこしさがつきまとう。
でもそのややこしさを抱えながらも、演劇界全体が盛り上がるように
ま、今日は手を繋いでやりましょうよ、と。
劇作家協会のイベントに参加して思うのは、そういう、心の寄せ合い。
方法や手段は様々でも、現代演劇界を劇作家側で出来ることで盛り上げましょうよ、と。
見ている方向は一つなんだね。

だからフェスタは盛りだくさん。
昨日のイベントは、三本立てで、中澤日菜子さんのブラッシュアップ作品のリーディング、
黒川陽子さんの「ハルメリ」リーディング。
長い一日の司会は、篠原久美子さんと丸尾聡さんでした。 

さらに今日は、新人戯曲賞の発表もあるよ。
選考会は第一線の劇作家たちが論陣を交わす場に。
個人的には、秋之桜子さんの「猿」を観劇していて、
印象的な、すごくいい舞台だったので、受賞してほしいなぁ……!

昨日はリーディングフェス出演のあと、
パブリックシアターの公演パンフインタビュー記事をまとめるお手伝い。
渋谷で、深夜まで掛かって、納得のいくものになったと……思う。
熱い演劇論に触れたのでした。


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