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桜が咲くような。―リーディング公演「カシオペア」、終了! [演劇ユニットてがみ座]

終わってからもしばらくはずっと、音楽が心の中に響いてた。
この舞台のために松田幹(モトイ)くんが書き下ろしてくれた曲。
ことばの代わりにあふれだした感情を、やわらかな音符で描いてくれた。

4月5日、リーディング公演「カシオペア」が終わりました。
観に来てくださった方、本当にありがとうございました!
この公演は、「みきかせプロジェクト『乱反射ドロップ』」に参加した公演。
一緒に共演したのは、こゆび侍さん、本田ライダーズさん、シンクロ少女さん。
どれもほんとうに面白くて
肌触りも見せ方も舞台づくりも目指したものも
これでもかってほど各劇団のカラーが違ってて、
すごく楽しかったです。
出会えて、本当によかった!
これから肩を並べて走っていけるかと思うと、わくわくするような。


さて、てがみ座が始めて向き合ったリーディング公演。
一度上演した「カシオペア」を再度リーディングで上演するためには、
完成したものを解体し、またイチから創りあげていく作業。
オリジナルキャストであった扇田さんも、
前回の記憶を捨て去り、まっさらな地点に立つことからはじめられていました。

リーディングに至るまでには様々な過程がありました。
今回のプロジェクトに参加した4劇団すべてがおそらくそうだけれど
『リーディングとはなんぞや?』という問に直面することから始まって、
それぞれの劇団が、自分の劇団が取るべき答えを見つけていった気がします。
てがみ座でも、
「ト書きを読むか読まないか」
「行間をどう立ち上がらせていくのか」
「リーディングにおいて重要なのは果たしてテキストをそのまま伝えることなのか?」
「舞台表現との兼ね合いは?」
さまざまなキーワードが飛び交い、稽古場でのディスカッションを何度も行ってきました。

そして……
演出家の田中圭介くんが創り上げたのは、
「脚本×俳優×音楽」というそれぞれの素材を丁寧に吟味し、
素材本来が持つ味を存分に引きだし、響かせあう舞台。
まるで自然光に満たされた、やわらかく透明度の高い舞台に
音にはならない声や、目には見えない色までも織り込んだ。

音にならない声。目に見えない色。
それは、ささやかで素朴で、本当にかけがえのないもの。

それをリーディング公演に織り込むことができるなんて、
なんて幸せなんだろう。
体感したのは、
私自身が当初リーディング公演に対して抱いていたイメージよりも
はるかに豊かで、詩情に溢れた劇空間。

今回舞台の上演のための、本当に素敵な俳優陣。
3ステージを日替わり3組のペアで。
これがもう心から楽しかった。
どのペアも全く違うカラーを持っていて。
二人だけの世界が生まれる。
実は、その世界を引き出すために、演出もペアによって絶妙に変えてありました。
俳優陣が誰もみんな、この脚本と世界観を
心から愛してくれました。
かけがえのない時間として、大切に取り組んでくれた。
それが本当に幸せでした。

【大場泰正×渋谷はるか】

洗練された安定感。はるかちゃんの詩情、泰正さんの秀逸な存在感。
本番の光の中で、このふたりは、いちばんリラックスして泳ぎ出す、その心地よさ。役者力。
空気の色までやわらかく染めてしまう、上質で丁寧な、温かな舞台。

【尾崎宇内×福原まゆみ】

等身大の二人の姿。今しかない、淡さや脆さ、きらめくような喜び。
過ぎていくかけがえのない時間を、愛しむような二人の芝居。ここにしかないもの。
胸に響く甘さと切なさのある、フレッシュな舞台。

【扇田拓也×大庭 藍】

なんとも魅力的な二人。二人の魅力に惹きつけられて、うんと遠い場所までいっしょにいけるような。
ニュアンスもあふれだす想いも、舞台上の呼吸の中で生まれていった。
一瞬一瞬、二人が出会いなおしていくように見えて、目が離せなかった。


大好きなひとたちへの愛しさをかみしめるような、そんな舞台。
お花見は出来なかったけれど、満開の桜が咲くような、
そんな舞台空間でした。


しばらくは「愛しさ」の余韻を楽しみながら……、

さあ、行こう。


次は外注のお仕事です。気合いを入れなおして。
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