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「光る河」を越えて [演劇ユニットてがみ座]

てがみ座第2回公演「光る河」、無事に終わりました。
ご観劇いただいた皆さま、
劇場にはお越しいただけなかったけれど気にかけてくださった方々、
ありがとうございました!
今回1,000人以上の方が劇場にお越しくださいました。
動員1,000を越えるということが今回掲げていた目標のひとつでもありました。
新年のお忙しい時期にも関わらず、
多くの方に支えていただき、本当に……感謝です。
心から、ありがとうございました。

11日に終演してから12日に荷返しを受け取り、
13日・14日と残務処理をうするうちに
疲れが来たのか、ウイルス性の腸炎で倒れ……
去年の秋以降分、まとめて倒れました。
20時間くらい眠り続けてたんじゃないかなぁ……。
吐き気がするから起きていられないんだけれど、
寝ていると腰が痛くて動けない。
眠って眠って……今やっと、動けるようになってきました。

熱の中でなんでも声が響いていました。
舞台の上で聞いてきた声。
光が射す、河川敷の景色。

「劇」小劇場を使わせていただくことが決まっていたのは、去年の一月。
この一年でずいぶん遠くまで来た気がします。
でもやっと出発地点に立てた気もします。

これまでの、脚本の依頼をいただいて、
いただく要望を120%満たして納得していただけるものを書き続ける大変さと
今、主宰として一人立ち、自分が書こうとするものを自分の手で上演する大変さ、
全く別のスキルだとは思っていたけれど、こうまで違うとは。
だから、だからこそ
今はじめてよかった。今はじめなきゃならなかった。

今回も素晴らしい座組みに恵まれました。

1回ごとのコラボレーションはこわい……という思いもあると書いたけれど、
それを越えていく未知なる楽しさ。
一緒に走り抜けることができる仲間と、尊敬する演劇人の方々と出会えていく喜び。
こんなにも嬉しいことって、他にないです。

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(撮影/伊藤雅章)



キャストの方々は、ともに、楽ではない旅を一緒に走り抜けてくれました。

主演の大場泰正さん、村井美樹ちゃんは、本当に深い……深い場所まで辿り着いてくれた。
場が進むごとに二人の絆の在りようが少しずつ変化を重ねていく、難しい役。
最後の、河川敷では、不器用ながら自分たちの居場所を見つけた二人が
これから歩いていく姿が、とても眩しかったです。

浮浪者アキノという、とても難しい大役を担ってくださった奈良谷優季さん。
本当に、最後の最後まで戦い抜いてくださいました。

越智を演じてもらった大石丈太郎さん。情熱(ハート)がある役は彼をおいては考えられない。
親子二世代にわたる物語を背負って出てくれた。猫好きでホームレスとも仲良くて……変なお巡りさん。
でも、丈さんが演じてくれると、ああ、こういうお巡りさんがいてくれるなら日本は大丈夫って思える。

倉橋を演じてもらった武谷公雄さん。武ちゃん。
長い付き合いだけど、役者としての武ちゃんから目が離せなくなったのは、初めて。
武ちゃんに演じてもらえて、心からよかった。(河川敷でカニを焼いて食べるのはもうやめてください)

尾崎宇内くん。彼がいてくれたから、この物語が未来へ続く話となった。
ものすごく純度の高い眼差しに惹かれてしまう。彼はあっという間に大きくなるんだろうな。

田村 元さん。面白かったなぁ。不器用でね、その不器用さもなんだかいとしくなるような役者。
舞台上の元さんもさることながら、楽屋の話題も独り占めでした。

石井 統さん。オサムちゃん。てがみ座に欠かすことの出来ない役者さんです。もう勝手に。
オサムちゃんの代わりは誰にもできないよ。(滑舌とかもーどーでもいいです)

由香理さん。稽古場初日から最も変わったのは由香理さんだと思う。
ああ、こういう人本当にいる!とテレビ局関係者大絶賛でした。役を本当に「生きて」くれたんだと思う。

樋口史緒里ちゃん。しおりちゃんは人を明るくする天才なんだよね。
エスパー?!ってくらいに必要な時に明るさをくれる。しおりちゃんのシーンは、幸せでした。面白かったね。

高宮尚貴くん。高宮くんの笑顔が、どんなせりふも吹き飛ばすくらいの説得力をもってました。
健気に毎日を一生懸命生きているひとを、高宮くんに演じてもらえてよかったなぁ。
明るさと心をありがとう。

役者はみんな、その「役」の生に到達するのが遠くて、
本番に入っても、もがき続けてくれた。
本当に千秋楽の最後のステージまで、辿り着く道を探し続けてくれた。
その分、ひとりひとりの役がすべて愛おしくてたまらなくて。
いい加減な役はひとつもなかった。全部の役に血が通っていて。

今回の舞台では、
今はもういない人の気配さえも立ち上がらせようとしました。
それが今回の物語を劇場空間で立ち上げたかった理由でもあります。

生きている人、今はもういなくなってしまった人、
辛いことがあっても明日には日がまた昇る、
そうやって繰り返す営みを、河川敷の景色を
様々な視点から描いてみたかった。

虚構の中の劇場で、まるで本当にその景色に立ち会ったかのように
今、私の中には、午後の白い光に満ちた河川敷があります。
きれいなものもきたないものも内包して、内側から放つ光。


関わってくださったすべての方に。

本当にありがとうございました。
遅くなりましたが、心からの感謝を!


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右近。

深く大きな河を渡りきりましたね。お疲れ様。
河の向こうに広がる世界の厳しさ、美しさを多くの方々と分かち合えたこと、私も本当にうれしかったです。
これからも、新しい地平を切り拓いていきましょう!

by 右近。 (2010-01-21 21:12) 

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